解説
反応性あるいは発育異常による成熟骨の限局性過形成である。
臨床事項
- 正中口蓋部(口蓋隆起 Torus palatinus)や下顎骨小臼歯部舌側面(下顎隆起 Torus mandibularis)に好発する。
- ときに、上顎臼歯部歯槽骨頬側面に多発する。
- 発育は緩慢で、無症状である。
- 義歯作製時や発音などに障害となるような場合は外科的切除を行うが、通常は処置の必要はない。
病理組織所見
- 弧状を呈し、外側部は層板状に肥厚した緻密な成熟骨からなる。
- 内側部は海綿状の骨梁が不規則に配列する。
- 骨梁間には線維脂肪髄が認められる。
その他
- 骨内部に生じた場合は、内骨症 Enostosisとよばれ、X線検査で偶然に発見されることが多い。
鑑別疾患
- 骨腫(Gardner症候群では多発)
代表画像
下顎隆起
- ガイド無し
- ガイド有り
下顎小臼歯部舌側に左右対称性の多結節性の骨様硬の隆起性病変が認められる。
下顎小臼歯部舌側に左右対称性の多結節性の骨様硬の隆起性病変(矢印)が認められる。
- ガイド無し
- ガイド有り
下顎小臼歯部舌側に左右対称性の骨様硬の膨隆。
下顎小臼歯部舌側に左右対称性の骨様硬の膨隆(矢印)。
下顎隆起のオクルーザルX線画像
- ガイド無し
- ガイド有り
下顎小臼歯部舌側の隆起性病変は左右対称性にX線不透過像を呈する。
下顎小臼歯部舌側の隆起性病変(矢印)は左右対称性にX線不透過像を呈する。
口蓋隆起
- ガイド無し
- ガイド有り
硬口蓋正中部に結節状の隆起性病変が認められる。
硬口蓋正中部に結節状の隆起性病変(矢印)が認められる。
外骨症
- ガイド無し
- ガイド有り
外表は弧状を呈し、表層には層板状に増生した緻密な骨がみられる。内部は線維脂肪髄と細く脆弱な骨梁が認められる。
外表は弧状を呈し、表層には層板状に増生した緻密な骨(★)がみられる。内部は線維脂肪髄(▲)と細く脆弱な骨梁(矢印)が認められる。
- ガイド無し
- ガイド有り
病変内部の骨梁間には線維髄や脂肪髄が認められる。
病変内部の骨梁間には線維髄や脂肪髄が認められる。
脂肪細胞(▲)
外骨症
層板状に増生した緻密な骨からなる。
層板状に増生した緻密な骨が認められる。