骨腫 Osteoma

歯槽骨・顎骨の病変

解説

成熟層板骨(緻密骨あるいは海綿骨)の増殖からなる良性腫瘍である。

臨床事項

  • 通常は単発性だが、Gardner症候群では多発性である。
  • ときに軟部組織に発生することもあり、鰓弓の残遺由来や下顎骨原基の分離迷入と考えられている。

病理組織所見

  • 種々の割合で線維脂肪髄を持つ成熟層板骨組織からなる。

その他

  • 骨内部に生じた場合は、中心性骨腫(Central osteoma)とよばれ、X線検査で偶然に発見されることが多い。

鑑別疾患

  • 外骨症

代表画像

パノラマX線画像

  • ガイド無し
  • ガイド有り

右側下顎智歯部から下顎角部にX線不透過像を呈する病変が認められる。

右側下顎智歯部から下顎角部にX線不透過像を呈する病変(矢印)が認められる。

CT像

  • ガイド無し
  • ガイド有り

右側頬側下顎智歯部から下顎角部の骨表面に不透過性を示す起性病変が認められる。

右側頬側下顎智歯部から下顎角部の骨表面に不透過性を示す起性病変(矢印)が認められる。

骨腫(弱拡大)

弧状をなす緻密な骨の増生からなる。

種々の程度に線維脂肪髄を伴う。

骨腫(強拡大)

層板状に増生した緻密な骨で、骨髄組織量は少ない。