解説
胎生期の鼻口蓋管の上皮遺残に由来する顎骨の非歯原性発育性囊胞である。
臨床事項
- 上顎中切歯後部に発生する。
- 口蓋前方正中部の膨隆を、増大すると唇側の膨隆を認める。
- 発生部位により切歯管囊胞(鼻口蓋囊胞/骨内)と口蓋乳頭囊胞(口蓋粘膜内)に分ける。
- ハート型のX線透過像を認める。
病理組織所見
- 裏装上皮は立方上皮、線毛円柱上皮、あるいは扁平上皮からなる。
- 上皮下は線維性結合組織からなる。
- 囊胞壁には太い神経や血管をみる。
代表画像
パノラマX線画像
- ガイド無し
- ガイド有り
上顎前歯部に単房性の透過像がみられる。
上顎前歯部に単房性の透過像がみられる(破線)。
鼻口蓋管囊胞(弱拡大)
- ガイド無し
- ガイド有り
裏装上皮は菲薄で、囊胞壁の炎症性細胞浸潤は軽微である。
囊胞壁中に比較的太い動脈や神経が認められる。
裏装上皮は菲薄で(破線)、囊胞壁の炎症性細胞浸潤は軽微である。
囊胞壁中に比較的太い動脈(A)や神経(N)が認められる。
- ガイド無し
- ガイド有り
囊胞壁には比較的太い動脈や神経が認められる。
囊胞壁には比較的太い動脈(A)や神経(N)が認められる。
鼻口蓋管囊胞(強拡大)
線毛円柱上皮で裏装され、上皮下は線維性結合組織からなる。