解説
裏装上皮が過正角化重層扁平上皮からなる歯原性発育囊胞である。
臨床事項
- 10~20歳代、40歳代に好発し、男性に多い。
- 下顎大臼歯部~下顎枝に好発し、ときに多発性である。
- 内腔に角化物(おから状物質)を多量に含むことがある。
病理組織所見
- 顆粒層を伴い数層の正角化重層扁平上皮で裏装され、上皮下は線維性結合組織からなる。
- 上皮突起の形成がなく、基底面は平坦なものが多い。
- 基底細胞の蕾状下方増殖(出芽状)を示すことがある。
- 娘囊胞(Daughter cyst)や上皮島の形成をみることがある。
代表画像
正角化性歯原性囊胞
正角化重層扁平上皮に裏装され、上皮下は線維性結合組織からなる。
裏装上皮は顆粒層を介して正角化を示す。
内腔には角質層が剥離した角化物が充満する。