象牙質齲蝕 Dentin caries

齲蝕・歯の損傷・歯の吸収

解説

歯質の脱灰と有機質の分解による象牙質の崩壊がみられる。

臨床事項

  • 齲窩がみられる。

病理組織所見

  • 逆三角形の齲蝕円錐の形成がみられる。
  • 感染象牙細管の拡張(数珠状拡張)がみられる。
    1. 象牙細管の融合
    2. 感染空洞の形成(溶解原巣)
    3. 齲蝕裂隙
    4. 齲窩の形成
  • 軟化象牙質の形成がみられる。

代表画像

臼歯部咬合面齲蝕

大きな齲窩の形成がみられる。

咬合面齲蝕(研磨標本)

  • ガイド無し
  • ガイド有り

大きな齲窩の形成がみられる。

褐色に着色された逆三角形の齲蝕円錐がみられる。

大きな齲窩の形成(★)がみられる。

褐色に着色された逆三角形の齲蝕円錐(破線)がみられる。

象牙質齲蝕の感染巣(脱灰標本)

  • ガイド無し
  • ガイド有り

感染象牙細管は青染され、拡大している。

感染象牙細管は青染され、拡大している(黄矢印)。

★印は齲窩を示す。

感染象牙細管(脱灰標本)

  • ガイド無し
  • ガイド有り

感染象牙細管が数珠状に拡張し、管間象牙質の溶解によりさらに拡大し、近傍の象牙細管を破壊、融合した感染空洞(溶解原巣)がみられる。

感染象牙細管が数珠状に拡張し、管間象牙質の溶解によりさらに拡大し、近傍の象牙細管を破壊、融合した感染空洞(溶解原巣)(矢印)がみられる。

進行した象牙質齲蝕(脱灰標本)

  • ガイド無し
  • ガイド有り

牙細管を横断する齲蝕裂隙(横走裂隙)がみられる。

牙細管を横断する齲蝕裂隙(横走裂隙)(矢印)がみられる。

★印は齲窩を示す。