解説
2本以上の歯がエナメル質と象牙質あるいは象牙質とセメント質で結合し、歯髄腔の連絡がみられるものである。
臨床事項
- 下顎乳中切歯と乳側切歯、下顎乳側切歯と乳大歯、下顎中切歯と側切歯、下顎側切歯と犬歯に好発する。
- 融合歯ともいう。
病理組織所見
- エナメル質と象牙質あるいは象牙質とセメント質で結合がみられる。
- 歯髄腔の連絡がみられる(歯根部歯髄は共有するが、歯冠部歯髄は独立することが多い)。
鑑別疾患
癒着歯(Concrescent teeth)
萌出後の歯がセメント質のみで結合しているものである。
上顎第二大臼歯と第三大臼歯に好発する。
双生歯(Germinated teeth)
一つの歯胚が二つに分離(不完全分離)して成長発育したもの、または正常歯と過剰歯が発育の過程で結合したものである。
代表画像
下顎左側側切歯と犬歯の癒合歯(唇側面)
下顎左側側切歯と犬歯の癒合歯(唇側面)であるが、肉眼所見からは癒着歯との鑑別は困難である。
下顎側切歯と犬歯、両歯冠部の癒合歯(舌側面)
下顎側切歯と犬歯、両歯冠部の癒合歯の舌側面を示す。
デンタルX線画像
- ガイド無し
- ガイド有り
下顎側切歯と犬歯の癒合歯で歯髄腔の連絡がみられる。
歯根部の歯髄(★)が連続。
大臼歯の癒合
下顎第2大臼歯と第3大臼歯との癒合が認められる。