解説
粘液性細胞外基質に富む、歯原性外胚葉性間葉由来の腫瘍である。
臨床事項
- 下顎臼歯部に好発する。
- 10~50歳代の女性に多い。
- 発育緩慢である。
- 顎骨の膨隆をきたす。
- 骨皮質の吸収と局所浸潤を認める。
- 多房性のX線透過像を示す。
- 樹枝状(テニスラケット状)のX線不透過像を呈する。
病理組織所見
- 粘液性の細胞外基質の中に紡錘形や星状の線維細胞が疎に配列する。
- 歯原性上皮島が散見される。
- 粘液様基質の中に膠原線維が多くみられるものを歯原性粘液線維腫という。
代表画像
パノラマX線画像
- ガイド無し
- ガイド有り
多房性透過像の内部には、直線的で直交する隔壁が認められる。
多房性透過像の内部には、直線的で直交する隔壁が認められる(破線)。
歯原性粘液腫(弱拡大)
- ガイド無し
- ガイド有り
腫瘍は顎骨を吸収して歯肉上皮下まで増大する。細い骨梁が残存する。
腫瘍は顎骨(★)を吸収して歯肉上皮下(矢印)まで増大する。細い骨梁が残存する。
▲は梁状の残存する骨組織。
歯原性粘液腫(中拡大)
紡錘形ないし星芒状の細胞が疎に配列する粘液腫様組織が認められる。
- ガイド無し
- ガイド有り
粘液腫様の組織内には索状、島状の歯原性上皮が認められる。
粘液腫様の組織内には索状、島状の歯原性上皮(★)が認められる。