解説
舌背部の糸状乳頭の角化亢進がおこり、突起状に伸長して黒色に着色し、毛状を呈した状態である。
臨床事項
- 中高年の男性に多い。
- 全身状態の変化や抗菌薬の服用などによる菌交代現象の結果、色素産生性菌が優勢になると考えられる。
- 薬剤の変更、中止や口腔清掃・洗浄により消退する。
病理組織所見
- 糸状乳頭の著しい角化亢進、突起状の伸長がみられる。
- 突起間に多数の細菌・真菌塊(舌苔)や角質停滞がみられる。
- 粘膜固有層に慢性炎症性細胞浸潤がみられる。
鑑別疾患
食品や嗜好品などによる着色
代表画像
舌背(ミラー像)
舌背(ミラー像)は黒褐色を示す。
舌背粘膜
- ガイド無し
- ガイド有り
上皮は過錯角化亢進を示し糸状乳頭の伸長がみられる。
上皮表面には細菌塊や角質停滞がみられ、粘膜固有層には軽度の慢性炎症性細胞の浸潤が認められる。
上皮は過錯角化亢進を示し糸状乳頭(白矢印)の伸長がみられる。
上皮表面には細菌塊や角質停滞(黄矢印)がみられ、粘膜固有層には軽度の慢性炎症性細胞の浸潤が認められる。