解説
鮮紅色ビロード様の斑状を呈する病変の臨床診断名である。
上皮性異形成の程度が重要である。
臨床事項
- 舌、口底、頬粘膜、臼歯部歯肉、口蓋粘膜に発生する。
- 50~60歳に好発し、性差はない。
- 赤色斑としてみられる。
- 白斑の混在(紅板白板症)、びらん、顆粒状隆起をみることがある。
病理組織所見
- 上皮性異形成のことが多いが、上皮内癌や浸潤癌(扁平上皮癌)のこともある。
- 上皮は菲薄化しているか上皮脚が棍棒状を呈する。
- 角化の亢進はないか角質層は菲薄である。
- 基底層細胞は大型化がみられる。
- 上皮直下や上皮層内に血管がみられる。
代表画像
頰粘膜
境界明瞭な鮮紅色ビロード様の斑状病変がみられる。
紅板症
上皮の角質層と有棘層は菲薄で、細胞異型がみられる。上皮直下や上皮層内に血管が認められる。上皮下にはリンパ球や形質細胞の浸潤がみられる。上皮性異形成に相当する。
上皮の角質層は菲薄で、上皮脚は棍棒状や索状を呈する。細胞異型がみられ、核分裂像が散見される。上皮直下や上皮層内に血管がみられる。上皮下にはリンパ球浸潤が認められる。上皮内癌に相当する。