解説
リンパ管の増殖からなる腫瘍状病変で、多くは真の腫瘍ではなく、組織奇形や過誤腫的な病変とされている。
臨床的事項
- 小児に好発する。
- 舌(舌背)、口唇に好発する。
- 大舌症(巨舌症)、大唇症(巨唇症)をきたす。
病理組織所見
- リンパ管腔には好酸性のリンパ液が認められることが多い。
- 毛細血管とリンパ管がともに増殖する場合には赤血球がみられる。
- 毛細リンパ管腫
- 一層の内皮細胞で覆われたリンパ管の集合がみられる。
- 海綿状リンパ管腫
- 一層の内皮細胞と菲薄な壁からなる多数のリンパ管の拡張がみられる。
- 囊胞性リンパ管腫(囊胞性ヒグローマ)
- 1歳以下の頸部にみられ、不規則に拡張するリンパ管は相互に交通し大型囊状を呈する。
代表画像
舌背部に生じたリンパ管腫
表面は多数の小水疱様病変の集簇からなる。
ホルマリン固定後の割面所見
ホルマリン固定後の割面所見
海綿状リンパ管腫(cavernous lymphangioma)(弱拡大)
粘膜上皮下に一層の内皮細胞と薄い壁からなる様々な大きさのリンパ管の増殖が認められる。
海綿状リンパ管腫(cavernous lymphangioma)(強拡大)
- ガイド無し
- ガイド有り
様々な大きさに拡張したリンパ管の増殖が認められる。
様々な大きさに拡張したリンパ管の増殖が認められる。