解説
メラノサイトに由来する悪性腫瘍である。
臨床事項
- 硬口蓋、上顎歯肉に好発する(骨破壊)。
- 潰瘍形成を伴った腫瘤を形成する。
- 黒褐色を呈する。
- まれに無色素性のこともある。
- BRAF、NRAS、KITの遺伝子変異が報告されている。
- 左右非対称性である。
- 腫瘍マーカーとして5-S-CDが有用である。
病理組織所見
- 左右非対称の形態をとる。
- メラニン顆粒を含有した異型の強い類円形、多角形、紡錘形の腫瘍細胞が集簇性、浸潤性に増殖する。
- 無色素性黒色腫もある。
- S-100蛋白、HMB45、melan A 免疫染色などが腫瘍細胞に陽性を示す。
鑑別疾患
色素性母斑
代表画像
上顎歯肉~口蓋の悪性黒色腫
黒色調を呈し、滲むように拡がる。
粘膜上皮直下から粘膜固有層
粘膜上皮直下から粘膜固有層へと高度な異型を示して浸潤増殖する。
腫瘍細胞の密な増殖
種々の程度にメラニン色素を含有する腫瘍細胞の密な増殖が認められる。
HMB45免疫染色(脱メラニン法を併用)
腫瘍細胞に陽性を示す。
S-100免疫染色(脱メラニン法を併用)
腫瘍細胞に陽性を示す。