解説
神経鞘細胞(シュワン細胞)および神経周膜を構成する線維芽細胞様細胞の増殖からなる良性腫瘍である。
- 単発性と多発性がある。
- 多発性のものは神経線維腫症Ⅰ型(NF1、von Recklinghausen病)の部分症としてみられ、NF1遺伝子の異常による。
臨床事項
- 舌、頬粘膜(単発性)に好発する。
- 20~40歳に多いが、NF1遺伝子異常の場合は小児期からみられる。
- カフェオレ斑がみられる。
病理組織所見
- 被膜形成は不明瞭である。
- 波状ないし紡錘形核の細胞と線維成分が混在し、粘液様基質を伴うことがある。
- 肥満細胞が散見される。
鑑別疾患
神経鞘腫、外傷性神経腫
代表画像
神経線維腫(弱拡大)
- ガイド無し
- ガイド有り
腫瘍は粘膜上皮下に被膜を欠き、結節状をなす。
腫瘍は粘膜上皮下に被膜を欠き、結節状をなす。(黄破線内)
神経線維腫(中拡大)
小型の紡錘形細胞と細線維の密な増殖がみられる。
神経線維腫(強拡大)
- ガイド無し
- ガイド有り
波状や紡錘形細胞、細線維が認められ、肥満細胞も散見される。
波状や紡錘形細胞、細線維が認められ、肥満細胞も散見される。(黄矢印)
S-100免疫染色で陽性を示す。