解説
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の感染症である。
臨床事項
- 口腔粘膜の初期結核症は極めてまれである。
- 二次結核症では難治性の穿掘性潰瘍が認められる。
病理組織所見
- 乾酪壊死巣の周囲に類上皮細胞層、リンパ球浸潤が認められる。
- 類上皮細胞層中にはLanghans型巨細胞が認められる。
- 結核菌はチール・ネルゼン(Ziehl-Neelsen)染色で赤紫色(ワインレッド)に染まる。
鑑別疾患
褥瘡性潰瘍
代表画像
口腔粘膜潰瘍
- ガイド無し
- ガイド有り
上顎右側唇・頬側歯肉に不規則な辺縁の穿掘性潰瘍が認められる。
上顎右側唇・頬側歯肉に不規則な辺縁の穿掘性潰瘍(矢印)が認められる。
結核結節
- ガイド無し
- ガイド有り
乾酪壊死巣を囲み、類上皮細胞、Langhans型巨細胞、リンパ球浸潤が認められる。
乾酪壊死巣(破線)を囲み、類上皮細胞(白矢印)、Langhans型巨細胞(黄矢印)、リンパ球浸潤が認められる。