解説
メラノサイト由来の母斑細胞の過誤腫的増殖病変である。
臨床事項
- 黒褐色調を呈するが、メラニン形成量と深さにより濃度は様々である。
- 硬口蓋、歯肉、頬粘膜、口唇に多くみられる。
- 平坦～小隆起状のものまである。
病理組織所見
- メラニン色素を含有した異型に乏しい母斑細胞の集簇が認められる。
- 母斑細胞は細胞質の豊富な卵円形（表層付近）～細胞質の乏しい紡錘形（深部）を呈する。
- 母斑細胞の存在部位から接合性母斑 、粘膜内母斑、複合母斑に分類される。
- メラニン色素がみられない場合がある。
鑑別疾患
悪性黒色腫
代表画像
上唇の色素性母斑
上唇粘膜に生じた色素性母斑
色素性母斑（Pigmented nevus）（弱拡大）
上皮下に母斑細胞の集簇が認められる。
母斑細胞は上皮直下では卵円形でメラニン色素を有するが、深部では細胞は小形紡錘形でメラニン色素の含有はみられない。
色素性母斑（Pigmented nevus）（強拡大）
上皮直下にメラニン色素を有する卵円形の母斑細胞の集簇がみられる。