解説
神経鞘細胞(シュワン細胞)由来の非上皮性良性腫瘍である。
臨床事項
- 口腔領域では舌(舌背)に好発する。
- 若年女性に多い。
- 粘膜上皮下に境界明瞭な腫瘤を形成する。
- 周囲に線維性被膜を有する。
病理組織所見
- Antoni A型
腫瘍細胞が密に増殖し、核の柵状配列、観兵式様配列、Verocay小体が認められる。 - Antoni B型
腫瘍細胞の密度は疎で、粘液様物質の沈着、囊胞形成や硝子化が認められる。 - Antoni A型・B型成分が混在する場合もある。
- S-100蛋白免疫染色に陽性を示す。
鑑別疾患
神経線維腫、外傷性神経腫
代表画像
Antoni A型(弱拡大)
- ガイド無し
- ガイド有り
特徴的な核の観兵式様配列、柵状配列がみられる。
特徴的な核の観兵式様配列、柵状配列がみられる。(黄矢印)
Antoni A型(強拡大)
特徴的な核の柵状配列がみられる。
Antoni A型とAntoni B型の混在
- ガイド無し
- ガイド有り
高細胞密度の観兵式様配列領域(Antoni A型)と粘液様物質沈着領域(Antoni B型)が混在する。
高細胞密度の観兵式様配列領域(Antoni A型★)と粘液様物質沈着領域(Antoni B型▲)が混在する。
Antoni B型
細胞密度が疎で、規則的な配列を示さず、粘液物質の沈着がみられる。