歯の発生と組織学 Development and histology of the teeth

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解説

歯の発生

  • 歯胚は、上皮成分であるエナメル器と間葉成分である歯乳頭ならびに歯小囊よりなる。
  • エナメル器からエナメル質が形成される。
  • 歯乳頭からは象牙質と歯髄が形成される。
  • 歯小囊からはセメント質、歯根膜、固有歯槽骨が形成される。
  • 象牙質形成後にエナメル質、セメント質が形成される。

歯原性腫瘍の分類

良性腫瘍は以下の3つに分類される。

  • 上皮性腫瘍
    エナメル器を構成する細胞から生じた腫瘍である。
  • 間葉性腫瘍
    歯乳頭や歯小囊を構成する細胞から生じた腫瘍である。
  • 上皮・間葉混合性腫瘍
    上皮成分と間葉成分の両者からなるもので、様々な程度の上皮間葉相互の誘導現象をみる。

代表画像

蕾状期の歯胚

  • ガイド無し
  • ガイド有り

エナメル器、歯乳頭、歯小囊によって構成される。

エナメル器(黄★)、歯乳頭(白★)、歯小囊(黒★)によって構成される。

鐘状期の歯胚

  • ガイド無し
  • ガイド有り

エナメル器は釣鐘状を呈し、凹部は歯乳頭から成る。

エナメル器(黄★)は釣鐘状を呈し、凹部は歯乳頭(白★)から成る。

鐘状期歯胚のエナメル器と歯乳頭との界面部

  • ガイド無し
  • ガイド有り

細胞の分化が明瞭にみられる。

鐘状期歯胚のエナメル器と歯乳頭との界面部(破線)
細胞の分化が明瞭にみられる。

鐘状期歯胚

  • ガイド無し
  • ガイド有り

エナメル器と歯乳頭との界面部に硬組織基質形成がみられる。

エナメル器と歯乳頭との界面部に硬組織基質形成(★)がみられる。

無数のエナメル小柱と小柱間質から成るエナメル質(脱灰標本)

石灰化が低い場合には脱灰切片でも観察が可能である。

歯髄

  • ガイド無し
  • ガイド有り

左から原生象牙質、象牙前質、象牙芽細胞層を含む歯髄が認められる。

左から原生象牙質(黄★)、象牙前質(白★)、象牙芽細胞層(矢印)を含む歯髄(黒★)が認められる。

二次セメント質

  • ガイド無し
  • ガイド有り

層板構造を呈し、細胞を容れる小腔が散在している。

層板構造(黄矢印)を呈し、細胞を容れる小腔(白矢印)が散在している。