ご挨拶
この度、特定非営利活動法人 日本臨床口腔病理学会の理事長を拝命いたしました長塚 仁です。就任にあたり本学会の紹介を兼ねてご挨拶申し上げます。
口腔病理学は、口腔領域に発生する様々な疾患の成り立ちやそのメカニズムの解明に焦点を当てて研究を行い、生命科学の発展に寄与する学問分野です。さらに、口腔領域の病理診断を通じて歯科医療に貢献しています。日本臨床口腔病理学会の目的は定款にもありますように、「広く一般社会に対し、口腔病理についての学術研究及び教育研究活動、臨床活動、国際活動を行うとともに、一般市民を対象に助言・支援・協力を行い、口腔病理の啓発、次世代の人材の育成、国際化の推進を図り、日本における口腔病理の研究、教育、臨床を発展させ、もって国民の医療福祉の増進に寄与する」ことです。この目的を達成するために本学会では、口腔病理学に関し学術大会の開催等による学術研究事業、機関誌その他印刷物等の発行による教育普及事業、広報活動ならびに情報提供事業、さらに国内外における関係団体及び諸学会との協力、連携等の事業を行っております。具体的な活動内容として、毎年の学術集会と病理診断講習会の開催、関連学会と合同の英文機関誌Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology (JOMSMP) の発刊、学会ホームページから教育コンテンツとして「口腔病理基本画像アトラス」公開による情報発信と教育支援を行っています。本学会会員は口腔癌取扱い規約や診療ガイドラインの策定・改定への参画の他、WHO頭頸部腫瘍分類の編集や執筆者としても活動しています。
これまで先達の先生方が行ってきた本学会の事業を継続し、目的としてきた学会活動の方向性を維持発展させると共に、口腔病理学の重要性と独自性が強調できる活動を推進するため、以下の目標に取り組みます。
- 本学会と口腔病理学の発展を通じ、広く一般社会に対し有益な活動を推進します。
- 口腔病理医の役割を本学会から広く社会に示す活動を広めていきます。全身的には希少疾患とされる口腔病変について、広く社会に認知いただくような方策を推進します。
- 口腔がんの診断における口腔病理医の重要性を示し、口腔癌検診や早期発見、治療に役立つ活動を進めていきます。
- 若手の育成を主体とした口腔病理学研究のさらなる発展を目指して、研究活動の活性化を推進します。
- 他学会との連携を深化し、本学会のプレゼンスを高めていきます。
会員の皆様とともに、本学会の発展に取り組んで参りたいと思います。本学会へのご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
NPO法人日本臨床口腔病理学会 理事長 長塚 仁