解説
顎骨内に生じる偽囊胞である。
腔内は血液を含み海綿状を呈する。
腫瘍や外傷などに二次的な修復過程による修飾の加わった病変と考えられている 。
臨床事項
- 下顎臼歯部に好発する。
- 若年者に多い。
- 無痛性の膨隆がみられる。
- 単房性、多房性、蜂窩状あるいは石けん泡状のX線透過像が認められる。
病理組織所見
- 赤血球が充満した多数の腔が認められる。
- 破骨細胞型の多核巨細胞を伴うタイプと骨新生をみるタイプがある。
- 裏装上皮は認められない。
その他
- 本疾患に先行し、骨芽細胞腫、線維性異形成症、骨形成線維腫をみることがある。
代表画像
パノラマX線画像
- ガイド無し
- ガイド有り
下顎に広範な多房性の透過像がみられる。
下顎に広範な多房性の透過像がみられる。
動脈瘤様骨囊胞(弱拡大)
血液成分を入れた多数の腔の形成がみられる。
動脈瘤様骨囊胞(中拡大)
- ガイド無し
- ガイド有り
腔内には赤血球が充満し、腔壁は多数の線維芽細胞を伴う線維性組織からなり、骨の吸収が認められる。
内皮細胞の裏打ちはみられない。
腔内には赤血球が充満し、腔壁は多数の線維芽細胞を伴う線維性組織からなり、骨の吸収が認められる。(破線)
内皮細胞の裏打ちはみられない。
動脈瘤様骨囊胞(強拡大)
多数の毛細血管が認められ、多核巨細胞が散見される。
線維性組織の増生と多数の多核巨細胞が認められる。