解説
生理的に体内では存在しない色素が組織に沈着するものである。
臨床事項
- 歯肉や頬粘膜に好発する。
- アマルガムやその他の歯科用金属、水銀、鉛、蒼鉛などの沈着がみられる。
- 金属色素によるものは金属刺青(metal tattoo)ともいわれる。
病理組織所見
- 粘膜固有層に黒色顆粒を取り込んだマクロファージ、異物巨細胞や線維芽細胞が認められる。
- コラーゲン線維に沿って線状に微細な黒色顆粒の沈着がみられる。
その他
- 細菌性色素については黒毛舌を参照。
鑑別疾患
内因性色素沈着、色素性母斑、悪性黒子、悪性黒色腫、薬疹
代表画像
歯肉の黒色斑
全部鋳造冠周囲の歯肉に黒色の色素沈着が認められる。
下顎左側大臼歯部歯肉に黒色の色素沈着が認められる。
金属色素沈着
粘膜固有層には黒色顆粒を取り込んだマクロファージや線維芽細胞が認められる。
コラーゲン線維に沿って線状に微細な黒色顆粒の沈着が認められる。
メラニン漂白法によって着色は消失しない。
粘膜固有層の毛細血管内皮細胞に微細な黒褐色顆粒が認められる。